分からなくなったOSユーザの パスワード を、システム的に確認する手段はありません。 RHEL 及び CentOS , RockyLinux を御利用の場合につきましては、下記の何れかの要領にて パスワード を再設定します。
一般ユーザ ( root ユーザ以外) の パスワード 再設定
NIS管理外ユーザのケース
rootユーザにて”passwd”コマンドを実行して、該当するユーザのパスワードを再設定します。
※<ユーザ名>には、パスワードを変更するユーザを指定して下さい。
$ passwd <ユーザ名>
Changing password for user ユーザ名.
New password: <該当ユーザの新しいパスワード>
Retype new password: <該当ユーザの新しいパスワード(再入力)>
NIS管理内ユーザのケース
管理(NIS)サーバ上のrootユーザにてNIS環境用の”yppasswd”コマンドを実行して、該当するユーザのパスワードを再設定します。
※<ユーザ名>には、パスワードを変更するユーザを指定して下さい。
$ yppasswd <ユーザ名>
Changing NIS account information for ユーザ名 on NISサーバ名.
Please enter root password:
Changing NIS password for ユーザ名 on NISサーバ名.
Please enter new password: <該当ユーザの新しいパスワード>
Please retype new password: <該当ユーザの新しいパスワード(再入力)>
もし”yppasswd”が使用できない環境の場合は、以下の手順で実施して下さい。
(1) 該当ユーザのパスワードを”passwd”コマンドで再設定します。
$ passwd <ユーザ名>
Changing password for user ユーザ名.
New password: <該当ユーザの新しいパスワード>
Retype new password: <該当ユーザの新しいパスワード(再入力)>
(2) 上記で変更したパスワード情報をNIS管理情報へ反映します。
$ make -C /var/yp
root ユーザの パスワード 再設定
※NIS環境下でもrootユーザは管理外となりますので、必ず其々のサーバ上でrootユーザのパスワードを再設定する必要があります。
ノーパスワードでリモートログインができるケース
管理サーバのrootユーザからノーパスワードでリモートログインできる設定が施されている場合があります(クラスタ環境などのケース)。その場合は、リモートログイン後に、通常の”passwd”コマンドで変更して下さい。
(1)管理サーバ上のrootユーザにて、該当サーバにリモートログインします。
$ ssh <該当サーバのホスト名 or IPアドレス>
または
$ rsh <該当サーバのホスト名 or IPアドレス>
(2)リモートログインした該当サーバ(rootユーザのまま)上で実行します。
$ passwd
New password: <新しいパスワード>
Retype new password: <新しいパスワード(再入力)>
ノーパスワードでリモートログインができないケース
一旦シングルユーザモード(rootユーザのログイン状態)でOSを起動してから通常の”passwd”コマンドで再設定します。ただし、OSのバージョンの違いにより、若干対応手順が異なります。
RHEL7系,RHEL8系OSの場合 ( CentOS7, RockyLinux8 含む )
- 該当サーバを再起動し、Kernel選択画面が表示されるのを待ちます。
- Kernel選択画面の表示後、通常は自動でKernelが選択されてOSが起動しますので、自動起動前のカウントダウン中に何れかのキーを押して選択画面の状態で止めます。
- Kernel選択画面で行末尾に”SingleUserMode”と付いた行がある場合
該当行を選択をした状態で[Enter]キーを押して起動を継続します。→(5)に続く - Kernelの選択画面で行末尾に”SingleUserMode”と付いた行がない場合
- デフォルトのKernel行選択のままで[e]キーを押して編集モードに入ります。
- “linux”,”linux16″,”linuxefi”の何れかで始まる行にある、オプション”rhgb”を削除して(もしオプション”LANG=ja_JP.UTF-8″もあれば合わせて削除して下さい)、行末尾にスペースを空けてから、オプション”rw init=/bin/sh”を追加入力します。
- [Ctrl]+[x]キーを押して起動を継続します。
- rootユーザでログインした状態で起動しますので、”passwd”コマンドで、自身(root)のパスワードを再設定します。
$ passwd
New password: <新しいパスワード>
Retype new password: <新しいパスワード(再入力)>
- SELinuxが有効(Enforcing)な場合は、下記の”touch”コマンドを実行します。
$ touch /.autorelabel
- 下記の”exec”コマンド実行して通常の起動モードに移行します。
$ exec /sbin/init
- “reboot”コマンドでOSを再起動します。
$ reboot
RHEL6系OSの場合 ( CentOS6 含む )
- 該当サーバを再起動し、Kernel選択画面が表示されるのを待ちます。
- Kernel選択画面の表示後、通常は自動でKernelが選択されてOSが起動しますので、自動起動前のカウントダウン中に何れかのキーを押して選択画面の状態で止めます。
- Kernel選択画面で行末尾に”single”と付いた行がある場合
該当行を選択をした後で[Enter]キーを押して起動を継続します。→(5)に続く - Kernelの選択画面で行末尾に”single”と付いた行がない場合
- デフォルトのKernel行選択のままで[e]キーを押して編集モードに入ります。
- 行末尾にスペースを空けてから、オプション”single”を追加入力します。
- [Enter]キーを押して選択モードに戻ったら、[b]キーを押して起動を継続します。
- rootユーザでログインした状態で起動しますので、”passwd”コマンドで、自身(root)のパスワードを再設定します。
$ passwd
New password: <新しいパスワード>
Retype new password: <新しいパスワード(再入力)>
- “reboot”コマンドでOSを再起動します。
$ reboot