PBS Professional 2026.0.0 新機能の御紹介

このバージョンには、 PBS Professional のコア機能、リソース管理、スケジューリング、ライセンス、および Budgets モジュールにわたる新機能や変更が含まれています。

PBS Professionalの主な新機能と変更点

GPUおよびVnode関連

同一NUMAノード上の複数種類のGPUに対するVnodeのサポート:NUMAノードに複数種類のGPUが接続されている場合、PBSはGPUの種類ごとに個別のVnodeを作成できるようになりました。

GPUサポートとアフィニティ管理のための新しい仮想ノード設計:GPUサポートおよびアフィニティ管理のための新しい仮想ノード設計が導入されました。

属性名の変更:GPUノード属性であった mig が、他のGPU属性との整合性およびベンダーニュートラル性を保つために gpu_sliced に名称変更されました。

リソースと属性

longおよびfloatリソースの消費可能性の指定:管理者は、long型およびfloat型のリソースが消費可能であるかどうかを、リソースタイプではなくリソースフラグに基づいて指定できるようになりました。

コメント内の制御文字の防止:コメントで許可される文字のホワイトリストを指定できます。(comment_whitelist_characters サーバー属性を参照)。

配置セットのソート:Vnodeのソートと同様に、配置セット(Placement Sets)をソートできるようになりました。スケジューラ設定ファイルには新しい pset_sort_key パラメータが追加されています。

ライセンス

ライセンスモデルの変更:バージョン 2026.0.0 より、PBSは Altair Unit Licensing または フィーチャーベースのライセンス のいずれかを使用できます。

レガシーライセンスのサポート終了:PBSProNodes および PBSProSockets のサポートは完全に削除されました。必要なライセンス数(フィーチャー)の計算方法も変更されています。

予約(Reservation)

予約のための新しい属性:予約に新しい partition 属性が追加されました。

パーティション/スケジューラの指定:管理者は、予約の投入フックにおいて、予約が確定を試みるパーティションまたはスケジューラを指定できるようになりました (HPCPBS-30715)。

稼働中予約の属性更新:稼働中の予約の開始時刻や終了時刻を変更した場合、resource_assigned ノード属性が正しく更新されるようになりました (HPCPBS-30080)。

メンテナンス予約:メンテナンス予約が、指定されたすべてのノードがデフォルトパーティションに属している必要がなくなりました (HPCPBS-31035, HPCPBS-31258)。

ロギングとアカウンティング

アカウンティングログのタイムゾーン情報:すべてのアカウンティングログのタイムスタンプにタイムゾーン情報を含めるオプションが追加されました。

アカウンティングレコードのcurtimeフィールド:すべてのアカウンティングレコードに curtime フィールドが追加されました (HPCPBS-30716)。

高精度タイムスタンプ:pbs.confに新しいパラメータ PBS_LOG_HIGHRES_TIMESTAMP が追加されました。

新しいビルトインリソース (Built-in Resources)

バージョン 2026.0 では、GPUおよびNUMAセットに関連する新しいビルトインリソースが追加されました。

リソース名概要
gpu_memGPUメモリ
gpu_modelGPUモデル
gpu_compute_capabilityGPU計算能力
gpu_profileGPUプロファイル
gpu_slicedGPUスライス
gpu_vendorGPUベンダー
numasetNUMAセット

Budgets モジュールの新機能

フィーチャーベースのライセンスサポート:Altair Units ライセンスに代わる代替ライセンスモードとして、フィーチャーベースのライセンスが Budgets でサポートされるようになりました。

データベースのバックアップと復元:Budgets データベースのバックアップおよび復元手順が提供されました。

コスト計算式の負の値のサポート:Budgets のコスト計算式内で、リソースの負の値に対する比較が正しく機能するように修正されました (HPCBGT-772)。

技術的な改善と修正

メール通知システム:サーバーのオーバーロードを防ぐため、様々なイベントに対するメール通知システムが再実装され、非同期でリクエストを順次処理するメールメッセージキューが導入されました (HPCPBS-26667)。

GraphQLのJWTトークン:GraphQLにおいて、JWTトークンでカスタムフィールドをUNIXユーザーIDとして使用する機能が追加されました (HPCPBS-32152)。

TLS証明書の有効期限:TLS暗号化に関するTLS証明書の有効期限が強制されるようになりました。

PostgreSQLのアップグレード:PostgreSQLがバージョン 14.17 にアップグレードされ、セキュリティ脆弱性(CVE-2025-1094)に対応しました。