計算機システム導入に向けた事前検討ガイド

計算機システムを導入するにあたり、設備の事前に検討するべき事項をまとめました。ここでは、実装方法、設置スペース、電源環境、空調環境等について検討しました。

1. 実装方法・設置スペース

19インチラック

サーバー、ワークステーションには、その設置方法に応じて2種類の実装があり、ラックマウント型とタワー型があります。ラックマウント型のマシンは、機器の取り付け幅を19インチ (482.6ミリメートル )に規定して標準化された19インチラックに搭載・固定して利用します。弊社が通常取り扱う19インチラックは、42U(高さ:1991mm)のものと24U(高さ:1198mm)のものがあります。

42Uラックとして、幅と奥行きに応じて3種類のラックを弊社では取り扱っています。近年は、サーバーの実装密度が高度化し、電源及びネットワークなどの配線がラック内で大変混みあうため、設置スペースに余裕があるならば、サイズの大きなラックを推奨します。

4ソケットサーバーや高密度ストレージなどでは、筐体の奥行きが80cmを超えるものがありますので、注意が必要です。

HPC-ProRack DPeSX 42U 幅600mm×奥行1070mm
HPC-ProRack DPeSX 42U 幅750mm×奥行1070mm
HPC-ProRack DPeSX 42U 幅750mm×奥行1200mm
高さは、上記3構成ともに1991mmです。

24Uラックは、以下の1種類を取り扱っています。

HPC-ProRack DPeSX 24U 幅600mmx奥行1070mm
高さは、1198mmです。

​弊社取扱のラックは、現地で組み上げるのではなく、完成品として組み上げられた形で納品致します。したがって、納品時の搬送経路の段差やエレベーター、サーバー室の間口の広さに注意が必要です。御注文を頂きますと、弊社の担当者から搬送経路についてお問合せさせて頂きますので、情報提供に御協力頂けますようよろしくお願い申し上げます。

19インチラック 平面図

以下は、ラック1本を設置した場合のラック各部のサイズです。このサイズ以外に、ラックの前方に150cm程度、ラックの後方に60cm程度の保守エリアを想定してください。サーバーの故障などで、パーツ交換を行う場合には、サーバーをスライドさせて引き出して作業を行います。したがって、前方のスペースはしっかりと確保頂く必要があります。

HPC-ProRack DPeSX 42U 幅600mm×奥行1070mm
HPC-ProRack DPeSX 24U 幅600mmx奥行1070mm

HPC-ProRack DPeSX 42U 幅750mm×奥行1070mm

HPC-ProRack DPeSX 42U 幅750mm×奥行1200mm

 

スチール棚

タワー型のマシンは、主にデスクサイドなどで床に直接置かれ利用されますが、スチール棚にマシンを並べて実装密度を高くする方法もあります。

スチール棚は、180cm程度の高さで棚板により数段に分かれている構造のものを利用する場合が多いのですが、高い位置に重量物を搭載するのは、大変危険ですので、低い位置にマシンを配置し、高い位置には、モニタやネットワークスイッチ、備品類などの軽いものを置くようにします。

ワークステーションでも大型のものは、1台あたり重量が20Kg前後ありますので、設置するマシンの数によっては、1段あたりの重量は100Kgを超過します。また、マシンの奥行きは60cm前後あり、メンテナンスの点を考慮すると、ラック背面スペースは人の体が入る程度(理想的には60cm程度)のスペースが欲しいので、スチール棚を含めると壁から120cmくらいの設置スペースは必要になります。19インチラックとは異なり、スチール棚は、現地で組み立てます。

ハイエンドの計算機として役割を終えた後でも、一般利用のワークステーションとして再利用可能なこのタイプの実装は、大学などでよく見られる方法です。

2. 耐震固定

スタビライザによる固定

​弊社で取り扱っている全ての19インチラックには4個のキャスターとアジャスタが備わっており、アジャスタでラックの垂直方向の調節し、それに加えてオプションのスタビライザを倒れ止めとして装着して固定します。このスタビライザのみの簡易な固定方法は、24Uラックのように背の低いラックの場合に良く利用されます。また、42Uラックでも仮設の場合であったり、普段人がいないようなサーバー室などで、利用されることがあります。スタビライザは、19インチラックの前面と背面に装着して利用します。

アンカー固定

スタビライザ固定をした状態で、スタビライザにあるボルト穴を利用してアンカー打ちをする固定方法です。後述する架台固定と比較して安価に実施できるメリットがあります。しかし、フリーアクセスフロアでは注意が必要です。コンクリートスラブとラックが固定される床面との間に空洞があるために、ラックの固定が効かないので、そのような場合にはこの方法ではなく、後述の架台固定を実施することになります。アンカー固定の施工にあたっては、アンカーを打つために音や振動が、施工場所周辺、及び、直下の部屋に響くため、平日に施工することの可否も検討する必要があります。また、建物の躯体を直接傷つける工事となりますので、事前に施設管理者様から施工の許可を頂いてください。

架台固定

フリーアクセスフロアのように、ラックを固定する床面とコンクリートスラブの間に空洞がある環境では、鉄製の架台を作成して、その架台をコンクリートスラブにアンカー固定した上で、架台とラックを連結します。架台は設置環境に合わせた特注品になるので、事前の下見が必要で、架台とその設置工事を含めると費用が高額となります。また、アンカー工事と同様に施工時に音や振動が響きますので、施工日については十分な調整が必要です。建物の躯体を直接傷つける工事となりますので、事前に施設管理者様から施工の許可を頂いてください。

3. 床の耐荷重対策

鉄板敷設

19インチラックにサーバーを搭載すると、ラック1台あたり500Kgを超えることは珍しくありません。それだけの負荷が、底面の4点に集中することとなります。フリーアクセスフロアやコンクリートスラブには、耐荷重が定められており、荷重が大きすぎるとフロアパネルが破損するなどの事故が起きる可能性があります。そのような耐荷重の制約を回避するためには、42Uラックに多くの機器を詰め込むのではなく、24Uラックを使用して負荷を分散する方法や、ラックの下に鉄板を敷設し、床への設置面積を増やして荷重を分散する方法などがあります。鉄板を敷設する場合、鉄板とコンクリートスラブとは長ボルトなどで固定されますので、その工事にあたっては、アンカー固定等と同様に音や振動が発生しますので、施工日については十分な調整が必要です。建物の躯体を直接傷つける工事となりますので、事前に施設管理者様から施工の許可を頂いてください。

4. 電源環境

電圧 100V / 200V

サーバー・ストレージ等の機器を稼働させるためには、単相100Vまたは、単相200Vの電源が必要です。3相電源は使用できませんのでご注意ください。近年のサーバーは、多CPUコア化やGPUの影響で1台当たりの消費電力が高くなっているため、200Vが必須の構成となる場合も多くあります。

経験的に申し上げますと、しばらく使用されていないコンセントなどでは、コンセントの形状としては200Vに対応しているものでも実際には100Vの電圧であったという事案は、時折発生しています。コンセントの電圧等が不明な場合には、是非、施設管理者様へ御確認頂けますようお願い申し上げます。

コンセント形状

以下は、サーバー・ストレージ機器で利用されている一般的なコンセントの形状です。機器によって対応しているコンセントが異なりますので、詳細は弊社担当者と御確認頂けますようお願い申し上げます。

NEMA L6-30
NEMA L6-30

接地形2P 30A 250V 200Vで最も利用しやすい形状です。

NEMA L6-20
NEMA L6-20

接地形2P 20A 250V 

NEMA 5-15
NEMA 5-15

接地形2P 15A 125V 通常の100V 3pin コンセントです。

NEMA L5-30
NEMA L5-30

接地形2P 30A 125V