第4世代 Xeon スケーラブルプロセッサ Sapphire Rapids に対応した2ソケットタワーサーバーです。 タワーサーバー はそれ自体で自立して導入可能であるため、設置のためにラックなどの特別なインフラを必要としません。したがって、オフィスや研究室の環境においてサーバーを導入する場合にもっとも支持される構成です。
第4世代 Xeon スケーラブル・プロセッサー ”Sapphire Rapids” 搭載
第4世代Xeonスケーラブルプロセッサは、4つのCPUダイを1つのパッケージに統合するチップレット技術を採用しており、Intelが独自開発したEMIBを利用して4つダイが1つの巨大CPUとして動作します。この技術により従来製品では最大40コアだったCPUコア数は、最大60コアへと強化されました。
3種類のダイ・パッケージ
第4世代Xeonスケーラブルプロセッサには、3種類のダイ・パッケージが存在します。4つのチップレットで構成されたXCC、1つのチップレットで構成されたMCC、及び、広帯域なHBM2eメモリを備えるインテル Xeon CPUマックス・シリーズです。インテル Xeon CPUマックス・シリーズでは、64GBのHBM2eをパッケージ上に実装し、HPCとAIのワークロードでデータ・スループットを大幅に向上させます。
新命令セット Intel AMX 搭載
Intel AMXとは、複数の行列をまとめて計算するために設計された拡張命令です。Intel AMXのアーキテクチャは、2つのコンポーネントで構成されています。
1つ目のコンポーネントはタイルです。タイルは8つの2次元レジスタで構成され、それぞれが1キロバイトの大きさです。大きなデータチャンクを格納するのデータを格納します。
2つ目のコンポーネントは「Tile Matrix Multiplication(TMUL)」で、TMULはタイルに付属するアクセラレータエンジンであり、行列の乗算計算を行います。TMULはタイルに取り付けられたアクセラレータエンジンで、AIのための行列乗算の計算を行います。
新旧Xeonの比較表
第3世代Xeonスケーラブルプロセッサ | 第4世代Xeonスケーラブルプロセッサ | |
Socket Count | 1 and 2 | 1S, 2S, 4S, & glueless 8S (>8S via xNC support) |
Die Size | 10nm | 10nm enhanced SuperFin (Intel7) |
最大コア数 | 40コア (HT有効時 80コア) per socket | 60コア (HT有効時 120コア) per socket |
キャッシュ | First Level Cache: 32 KB Instruction Cache 48 KB Data Cache Mid-Level Cache: 1.25 MB private per core Last Level Cache: 1.5 MB per core | First Level Cache: 32 KB Instruction Cache 48 KB Data Cache Mid-Level Cache: 2 MB private per core Last Level Cache: 1.875 MB per core |
TDP | 最大270W | 最大350W |
Physical/Virtual address bits | 52 / 57 | 52 / 57 |
Memory controllers / Sub-Numa clusters | 4 / 2 | 4 / 4 |
Memory | Up to 8 channels DDR4 per CPU Up to 16 DIMMs per socket Up to 3200 MT/s 2DPC | Up to 8 channels DDR5 per CPU Up to 4400 MT/s 2DPC Up to 4800 MT/s 1DPC |
Number of Intel® Ultra Path Interconnect (Intel® UPI) Interconnects | Up to 3 links per CPU (x20 wide) | Up to 4 links per CPU (x24 wide) |
Intel® UPI Interconnect Speed | Up to 11.2 GT/s | Up to 16 GT/s |
PCIe | Up to 64 lanes per CPU (bifurcation support: x16, x8, x4) PCIe Gen 4 support | 80 PCIe lanes with Flex Bus/CXL** – per CPU PCIe Gen 5.0 support (NTB @ PCIe 4.0) 48 lanes North/ 32 lanes South of socket PCIe bifurcation support: x16, x8, x4, x2(Gen4) Intel® Scalable I/O Virtualization (Intel® Scalable IOV) |
タワーサーバーが支持される理由:シャーシのサイズ
オフィスや研究室でサーバーの導入を計画する場合、大規模なものを導入する場合を除けば、部屋の一角にひっそりとサーバーを置いておきたいと思うのが通常でしょう。また、ネットワークの配線などの問題で設置可能なスペースも限られており、できるだけコンパクトに設置したいと思うことも多いのではないでしょうか。
そのような設置場所についての一例として、デスクの机下のスペースが挙げられます。オフィス用デスクの下肢空間( デスク天板下にイスや着座した人間の脚が入るスペース )は、およそ620mm程度の高さはあります。これは、JIS規格(JIS S 1031:2016)に定められている高さです。
HPC-ProServer DPeT560の高さは、キャスター ホイールをつけたもっとも背の高い実装の場合でも、508.8 mmですので、余裕で机下に格納できるサイズであり、オフィス・研究室環境でサーバーラックを設置する場所が取れないサイトでは、大変重宝するサイズです。
しかも、本サーバーには、3.5インチディスクが最大で12台搭載可能ですから、部門用のファイルサーバーとして十分に大きなストレージを搭載することが可能です。部門における基幹のサーバーとして利用するには、とても適したサーバーといえるでしょう。
タワーサーバーが支持される理由:静音性
タワーサーバーのメリットは、そのサイズと共に静音性です。上述の通り、部屋の一角にひっそりと置いておきたいサーバーですが、音が大きくては業務に支障が生じます。
HPC-ProServer DPeT560の音響性能は以下の通りです。
条件 | 一般的な構成の場合 ※アイドル時 | 一般的な構成の場合 ※動作時 |
25°C の周囲温度でアイドル状態/作動中(L pA,m(dB)) | 40 dB | 41 dB |
28°C の周囲温度でアイドル状態(L pA,m(dB)) | 43 dB | 43 dB |
35°C の周囲温度での最大ロード(L pA,m(dB)) | N/A | 72 dB |
条件 | 最高スペック構成の場合 ※アイドル時 | 最高スペック構成の場合 ※動作時 |
25°C の周囲温度でアイドル状態/作動中(LpA,m(dB)) | 43 dB | 72 dB |
28°C の周囲温度でアイドル状態(LpA,m(dB)) | 47 dB | 47 dB |
35°C の周囲温度での最大ロード(LpA,m(dB)) | N/A | 71 dB |
注)LpA,m:公表された平均 A 特性放射音圧レベルは、ISO 9296 (2017)の 5.3 項に従い、バイスタンダー位置で、ISO 7779 (2010)に規定されている方法を使用して測定されています。システムは 24U ラック エンクロージャに格納され、反響フロアの上 25 cm に置かれています。ここに記載されているエンジニアリング データは、ISO 7779 の宣言要件に一部準拠していない場合があります。
注)PCIe カード:25 Gb NIC カードまたは GPU カード(75 W 以上)が取り付けられている場合、アイドル状態と動作状態の両方で音響出力が高くなります。
デル社が公開している騒音の目安
ジョブ管理システムとして Altair® Grid Engine® を採用
計算機を効率よく運用するためには、信頼の置ける ジョブ管理システム が必要です。ジョブ管理システムが導入されているシステムでは、複数のユーザーが予め定められたジョブ運用ポリシーに基づき公平にジョブが実行され、システムの計算リソースが極限まで有効活用されます。
弊社では、Altair® Grid Engine® を標準ジョブ管理システムとして採用し、お客様へご利用をお勧めしています。
ジョブ管理システムに求められる信頼性
ジョブを管理するということは、ユーザーの実行するあらゆるジョブについて、ジョブ管理システムが柔軟に対応していることが必要です。ジョブの実行については、以下のようなさまざまなケースの検討が必要です。
シングルジョブ | シンプルなシングルジョブ 大量のシングルジョブを配列にしてスループットを向上 |
並列ジョブ | ネットワークを介するMPI並列 スレッドがノード内に限定されたスレッド並列(OpenMP) Hybrid-MPI並列 (MPIとOpenMP) |
コンテナ化されたジョブ | Dockerジョブ Singularityジョブ |
計算リソースの指定 | 実行時間 メモリ量 GPU数 商用アプリケーションの利用可能なライセンス数 |
依存関係のジョブ | 上記のさまざまなジョブ同士の連携を設定 |
スケジューリング | ユーザーやグループ毎に使用可能な計算リソースを指定 ジョブ実行時のリソース予約 |
また、ジョブ管理システムでは、ジョブの運用で問題が生じた場合に、問題を検証できるだけのログを取得できることがとても重要です。Altair® Grid Engine® ではデフォルトで利用可能な稼働統計ツールも充実しており、何が原因でジョブが終了たのかを調べるための手がかりが豊富に用意されています。
サポートサービスの充実した商用ジョブ管理ソフトウェア
Altair® Grid Engine® は、商用のソフトウェアであり、問題解決のための正確なサポートが開発元から得られます。ジョブ運用の現場で発生している問題はとても複雑であり、その解決のために高度に専門的な知見が必要となる場合があります。ジョブ管理システムは、システムの運用において極めて重要な機能ですので、弊社では、サポートサービスが充実した Altair® Grid Engine® を強くお勧めしています。
HPC-ProSupportを標準実装
HPC-ProSupport は、ハードウェア・ソフトウェアを問わずユーザーの問題解決・負担軽減を目的としたサポートパッケージです。ハードウェアに加えて、OS 及びソフトウェア設定を含めて一元的なサポートサービスを提供します。複数のハードウェアベンダーで構成されることの多い計算機システムにおいて、問い合わせの一次窓口として、サポートを取りまとめる機能も備えます。ハードウェアの保守年数は最長7 年、サポートレベルは当日4 時間以内対応から翌営業日対応まで選択可能。ユーザーの運用形態に合わせて多様なサポートサービスを御提案します。
保守窓口受付時間
平日9:00~17:00
お問い合わせは、電話または電子メールの利用が可能です。
メールについては、本ホームページのメール問い合わせフォームからご連絡ください。
※年末年始及び弊社の指定する休日(夏季休暇等)は、窓口を休みにさせて頂く場合があります。
ソフトウェア、ハードウェアを問わない一貫したサポート窓口
ジョブが動かない - 障害の通知としてはよくある典型的なお問い合わせの内容ですが、原因としては多くの可能性が考えられます。正しい原因にたどり着くために、さまざまな検討が必要です。ハードウェアベンダーのサポートでは、このような障害の連絡はほぼ間違いなく門前払い的な対応になるでしょうし、ソフトウェアの問題だとしても、どのソフトウェアの問題なのか切り分けるのは極めて大変です。OSなのか?、ジョブ管理ソフトなのか?、コンパイラなのか?、MPIなのか?そのようなときに、「ジョブが動かない」と簡単に相談いただけるのが、当社のHPC-ProSupportの保守サービスです。
障害の発生時には、ハードウェア、ソフトウェアの障害を切り分けし、必要な措置を取ります。昨今のシステムでは、単一ベンダー製品で構成されることは少なく、複数メーカーの製品で構成されたマルチベンダー環境になることが通常です。そのようなマルチベンダー環境においても、一元化されたサポート窓口を御提供します。パーツの交換が必要であれば、ハードウェアメーカーへ連絡し、お客様に代わって交換品や交換要員の手配を行います。障害の内容によっては、BIOSやファームウェア、OSのアップグレードが必要なため、そのような対応をする場合があります。弊社には、リモート保守を実施するためのリソースがあるため、それを利用しリモートから接続させて頂いて、ネットワーク越しに調査・対応させて頂く場合もあります。その他、システムの御利用方法等のQAにも対応します。
アラートメール受信サービス
障害が発生した場合に、アラートメールを自動送信する設定を行います。そのアラートメールの送信先に弊社サポートのメールアドレスを含めることで、弊社サポート担当者もアラートメールを受信致します。そのため、迅速に障害復旧の段取りに着手することができます。また、そのアラートメールには、障害の解析に必要な様々なログが添付されていますので、お客様に解析用のログを取得頂く手間を極力軽減します。
仕様:HPC-ProServer DPeT560
プロセッサー | ・最大2台の第4世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー・ファミリー (最大56コア、オプションでインテル® QuickAssist テクノロジー搭載) |
メモリー | ・16本の DDR5 DIMMスロット ・最大 1 TBのRDIMMをサポート、最大速度4800 MT/s ・Registerd ECC DDR5 DIMM サポート |
ストレージ コントローラー | 内蔵コントローラー(RAID): ・PERC H965i、PERC H755、PERC H755N、PERC H355、HBA355i 内部ブート: ・Boot Optimized Storage Subsystem (BOSS-N1):HWRAID 2 x M 2 NVMe SSDドライブまたはUSB 外部HBA(RAID非対応): ・HBA355e ソフトウェアRAID: ・S160 |
ドライブ ベイ | 前面ベイ: ・最大12台の3.5インチSAS/SATA HDDドライブ、最大180 TB ・最大8台の3.5インチSAS/SATA HDDドライブ、最大120 TB ・最大8台の3.5インチSAS/SATA HDD + 8台の2.5インチNVMe SSDドライブ、最大240 TB ・最大8台の2.5インチSAS/SATA HDDドライブ、最大120 TB ・最大16台の2.5インチSAS/SATA HDDドライブ、最大240 TB ・最大24台の2.5インチSAS/SATA HDDドライブ、最大360 TB |
電源装置 | ・2400 WプラチナAC 100~240 Vまたは2400 W DC 240 V、ホット スワップ冗長 ・1800 WチタニウムAC 200~240 Vまたは1800 W DC 240 V、ホット スワップ冗長 ・1400 WプラチナAC 100~240 Vまたは1400 W DC 240 V、ホット スワップ冗長 ・1100 WチタニウムAC 100~240 Vまたは1100 W DC 240 V、ホット スワップ冗長 ・1100 LVDC DC -48~(-60) V、ホット スワップ冗長 ・800 WプラチナAC 100~240 Vまたは800 W DC 240 V、ホット スワップ冗長 ・700 WチタニウムAC 200~240 Vまたは700 W DC 240 V、ホット スワップ冗長 ・600 WプラチナAC 100~240 Vまたは600 W DC 240 V、ホット スワップ冗長 |
冷却 | ・空冷 |
ファン | ・最大8個の標準(STD)ファンまたはハイパフォーマンス(HPR)ファン |
寸法 | 高さ: ・464.0 mm(18.26インチ)(脚付き) ・508.8 mm(20.03インチ)(キャスター ホイール付き) ・446.0 mm(17.60インチ)(脚なし) 幅: ・200.0 mm(7.87インチ) 奥行き ・ 678.2 mm(26.70インチ)(ベゼルを含む) ・660.6 mm(26インチ)(ベゼルを含まない) |
フォーム ファクター | 4.5Uタワーサーバー |
組込型管理 | ・iDRAC9 ・iDRACダイレクト ・Redfish の iDRAC RESTful API ・iDRAC Service Module ・Quick Sync 2ワイヤレス モジュール |
ベゼル | セキュリティ ベゼル(オプション) |
OpenManage | ・OpenManage Enterprise ・OpenManage Power Managerプラグイン ・OpenManageサービス プラグイン ・OpenManage Update Managerプラグイン ・CloudIQ for PowerEdgeプラグ イン ・OpenManage Enterprise Integration for VMware vCenter ・OpenManage Integration for Microsoft System Center ・OpenManage Integration with Windows Admin Center |
モビリティー | OpenManage Mobile |
OpenManage の統合 | ・BMC Truesight ・Microsoft System Center ・OpenManage Integration with ServiceNow ・Red Hat Ansible Modules ・Terraformプロバイダー ・VMware vCenterおよびvRealize Operations Manager |
セキュリティ | ・暗号化形式で署名されたファームウェア ・静止データ暗号化(ローカルまたは外部キー管理を使用したSED) ・セキュア ブート ・完全消去 ・セキュアなコンポーネント検証(ハードウェアの整合性チェック) ・シリコン ルート オブ トラスト ・System Lockdown(iDRAC9 EnterpriseまたはDatacenterが必要) ・TPM 2.0 FIPS、CC-TCG認証、TPM 2.0 China NationZ |
ネットワーク | ・2 x 1 Gbe LOMカード(オプション) ・1 x OCPカード3.0(オプション) |
GPU | 最大 2 x 300 W DWまたは6 x 75 W SW |
ポート | 前面ポート ・1 x iDRACダイレクト(Micro-AB USB)ポート ・1 x USB 2.0 ・1 x USB 3.0 背面ポート ・1 x USB 2.0 ・1 x USB 3.0 ・1 x シリアル ポート(オプション) ・1 x 専用iDRAC (RJ45)ポート ・1 x VGAポート ・2 x Ethernetポート 内部ポート ・1 x USB 3.0(オプション) |
PCIe | 最大6 x PCIeスロット: ・スロット1:x16 Gen5フル ハイト、フル レングス ・スロット2:x16 Gen5フル ハイト、フル レングス ・スロット3:x16 Gen4フル ハイト、ハーフ レングス ・スロット4:x16 Gen4フル ハイト、ハーフ レングス ・スロット5:x16(x8レーン)Gen4フル ハイト、ハーフ レングス ・スロット6:x16 Gen4フル ハイト、ハーフ レングス |
OS Hypervisor | ・Canonical Ubuntu Server LTS ・Hyper-V搭載Microsoft Windows Server ・Red Hat Enterprise Linux ・SUSE Linux Enterprise Server ・VMware ESXi |